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歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕をお披露目

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕をお披露目

 

 2025年6月2日(月)に開幕する、歌舞伎座「六月大歌舞伎」の祝幕がお披露目されました。

 歌舞伎座では先月に続き6月も、「八代目尾上菊五郎襲名披露 六代目尾上菊之助襲名披露」の興行が行われます。5月の「團菊祭五月大歌舞伎」では、株式会社長谷萬の贈呈により、日本画家の田渕俊夫氏が原画を手がけた「雲上富士」が描かれた特別な引幕「祝幕」が、襲名披露興行の始まりに華を添えました。6月は、グローバルラグジュアリージュエラーのティファニーの贈呈で、日本画家大河原典子氏が原画を描いた「菊富士曙(きくふじあけぼの)」がふた月目の襲名披露興行を鮮やかに彩ります。

 

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕をお披露目

 

 歌舞伎座の舞台上でお披露目された「菊富士曙」。夜明けを表現するティファニーブルーの美しいグラデーションを背景に、布面から浮き上がってくるような白菊の花が富士の嶺のように描かれています。大河原氏からのコメントで、中央の菊花は八代目菊五郎、横に咲きかけた蕾は六代目菊之助、そのほかの蕾が家族や一門を象徴し、発展を寿ぐ気持ちを込めたことが明かされ、「実際の菊はこの絵のように咲くことはないのですが、いわゆる絵空事を描くことで、視覚ではみえないけれどそこにあるものを表現したいと考えました」という言葉が寄せられました。

 

歌舞伎座「六月大歌舞伎」祝幕をお披露目

 

 花道から登場した八代目菊五郎は、七三で足を止めてまぶしそうに祝幕を見上げたのち、舞台中央の八代目菊五郎を象徴する菊花の前に立ちました。「原画は拝見しておりましたが、このように歌舞伎座にかけられた“菊富士曙”の幕を拝見するのは今日が初めて」と感無量の表情で、感謝を伝え、続けて「菊の花言葉は“高潔”です。高潔な気持ちで、大輪の花を咲かせるように、親子で襲名披露興行を懸命に勤めたいと思っております」と、真摯に述べました。

 

 また、180年以上の歴史をもつティファニーが、伝統と革新を繰り返すなかで発案した、ティファニーブルーのグラデーションのデザインを今回の祝幕に用いていることや、5月の祝幕を担当した田渕氏の教えを受けた大河原氏が6月の原画を手がけたことに触れ、そこにも伝統と継承があると話し、「まさに、先人から名前だけではなく技や心を受け継ぎ、その受け継いだものを発展させて世界に広く伝えていくというのが襲名の意味だと思っております。私も菊之助も、父の菊五郎から教えを受けて、懸命に舞台に立ち、伝統や歌舞伎の良さを世界に広げていきたい」と、決意を表しました。

 歌舞伎座「六月大歌舞伎」は6月2日(月)から27日(金)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2025/06/02
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